虫歯
Caries
虫歯は治すものではありません。
穴が開く・欠けるといった状態は「障害」と捉える必要があります。
つまり、虫歯とは「障害」を伴いつつ進行する疾患です。
障害を克服することはリハビリテーションです。
障害を人工物により修復(直す)するかしないかの選択はご自身の判断です。歯医者に決めてもらうことではありません。
セルフケアを重視し口腔内の環境を良好に保つために、様々な角度から対処していきます。
虫歯に対する基本的な考え方
先ず重要なことは、
「痛みがあるのか、無いのか」
次に重要なことは、
「痛みがあるのはどのような時なのか」
例えば、
- 冷たいものでしみるのか
- 温かいもので痛むのか
- 嚙んだときに痛いのか
- 痛みは長く続く・すぐに治まるのか
- いつから痛いのか
- 痛みの程度は我慢できるのか
など。
このセルフチェックは非常に大切です!
「きちんと月一回のメンテナンスに通っています。痛みはないのですが毎回虫歯と診断されてしまう」
こういう方は要注意です。
虫歯に対する診断そのものが、実は曖昧です。
歯医者側の都合で虫歯と診断され削られている可能性も否定できません。
ただし、
「夜間にズキズキと眠れないほど痛んだ」場合は、麻酔をして神経を取る(根管治療)のがよいでしょう。
「冷たいものは平気だが、温かいものでジワ~と痛む」場合は、神経が死んでしまっている可能性が高いため根の治療(根管治療)が必要でしょう。
痛みの程度は千差万別ですが、状況により痛みがあったり無かったりする場合は比較的軽度と思われる虫歯なので、焦って処置する必要はありません。
虫歯の進行
C0 (虫歯の前兆)
歯の表面からカルシウム等の無機成分が溶け出しはじめます。
C1 (軽度の虫歯)
表面のエナメル質が解けはじめます。
まだ痛みはありません。
C2 (中度の虫歯)
虫歯が進行し、象牙質に達します。
冷たいもの・甘いものなどが染みてきます。
C3 (重度の虫歯)
歯の神経(歯髄)まで虫歯が達します。
ズキズキとした痛みがひどくなってきます。
C4 (最重度の虫歯)
歯全体が虫歯に侵され歯根だけが残ります。
神経(歯髄)が死んで、歯寝に膿がたまります。
比較的軽度と思われる虫歯
- 銀歯や詰め物(歯と同色)が取れたが、痛みはない
- 歯(特に奥歯の溝の部分)が変色(黒や茶色)しているが、痛みはない
- 白く白濁している(特に前歯に見える場所に多発)が、痛みはない
- 歯と歯の間に食べ物が挟まりやすいがフロスなどにより容易に取ることができ、痛みはない
- 詰め物が変色(特に前歯が茶色い線のようになっている)しているが、痛みはない
- 冷たいものだけが(毎回ではないが)しみる、ぬるま湯なら大丈夫
- 小さな穴があいているが、痛みはない
- 歯が欠けてしまったが、痛みはない
虫歯予防
「フッ素を塗ること」「定期的に歯科検診を受けること」が虫歯予防ではありません!
「歯は一生懸命磨いているのですが、次々と虫歯ができてしまう」
虫歯予防に必要なことは、歯磨きの仕方よりも食生活習慣の見直しです。
つまり、
「何を食べるか」と「どう食べるか」の両方を理解する必要があります。
先住民族には虫歯も歯周病も歯列不正もありませんでした。
伝統的な食事から近代的な食事へと変化したことで、これらの疾患が急増したのです。
近代的な食事の特徴の一つに間食があります。
清涼飲料水を飲んだだけでも、これは立派な間食です。
腹持ちの良いお米をよく嚙んで食べるということが減り、流し込むような食事(ゼリーなど)やパンを中心とした食事が増えたため、変な時間にお腹が空くから間食をするということが増えてしまいました。
清涼飲料水の常飲や食事の時間が不規則になると虫歯は確実に増加します。
虫歯予防の重要な役割を担っているのが唾液です。
唾液には、虫歯菌の出す酸を中和する働き(緩衝能)があります。
唾液の緩衝能が高いと虫歯菌の出す酸を中和する能力が高く、虫歯はできにくいと言われています。
この唾液の緩衝能は、当院の唾液検査SMTで簡単に確認することができます。
フッ素塗布は本当に必要!?
フッ素塗布は「全く必要ない」と考えています。
ナチスが強制収容所のユダヤ人に対して、脱走しないように気力を削ぐ神経毒としてフッ素を飲み水に加えて摂取させていたという話はあまりにも有名です。
いま現在歯科ではフッ素の全身に対するさまざまの方向からの考察が不十分と言わざるを得ません。フッ素に関しては有効性よりもそれを上回るさまざまな害が報告されています。
・母親の胎盤を通過できるため胎児の脳発達に大きなダメージを与える可能性がある
・松果体の石灰化によりセロトニンやメラトニンなどホルモン分泌機能が低下する
など。
仮に生体に対して為害性が無かったとしても「フッ素を塗っていれば安心」との思い込み、「フッ素を塗らないと虫歯になる」といった強迫観念からフッ素を使用し、問題の本質から目をそらし、フッ素依存になってしまうことこそが問題であると思います。
虫歯を予防するために必要なことは他にあると考えられるかどうかがとても大切です。