感染根管治療
Infected root canal treatment
歯科医療の中でも唯一治療と呼ぶことができ、積極的な介入が有効であると言えます。
感染根管治療の意義
- 大きな障害を負ってしまった歯の機能を回復そして維持するために
- インプラントのための抜歯を回避するために
- 生体の自己治癒力を後押しするために
感染根管とは?
過去に神経を取る処置がなされている歯に起こります。
根の先端部周囲の歯槽骨が溶けてしまい、膿が溜まっている状態です。
レントゲン上では根の先端部分が黒くなっています。
歯ぐきにニキビのようなできもの(瘻孔;ろうこう)をつくることもあります。これは溜まってしまった膿を外に排泄するために生体が作り出した排出路(膿の出口)です。この状態のときは痛みがないのが特徴です。慢性化している訳です。
原因は?
様々な原因で感染が起こる訳ですが、東洋医学的には虚証かつ寒証の方にみられます。
免疫力が高い状態にあれば、「痛みや腫れ・噛むとひびく」などの症状はなく、無症状のまま数年経過しているということも珍しくありません。
逆に言えば、レントゲン上で病巣が発見されたとしても、体調管理が徹底されていれば治療を急ぐ必要はないと考えます。
治療法は?
不適合な被せ物や詰め物(銀歯や土台、レジンなど)を慎重に除去した後、根管の内部の汚染物を機械的に取り除き、天然の樹脂などで緊密に充填します。
*注意*
充填物の除去は非常に困難で手間がかかります。
安易に抜歯され、インプラントにされてしまう原因のひとつがここにあると言えます。
安易に抜歯され、インプラントにされてしまう原因のひとつがここにあると言えます。
改善が困難な場合
- 歯根の破折が疑われる場合
- 歯周病と併発している場合
- 内部でむし歯が大きく広がっている場合
- 根管が非常に複雑な形態をしている場合
- すでに人工的に破壊されてしまっている場合
*注意*
感染根管治療は残念ながら万全ではありません。
何度も繰り返すと、歯根は脆くなり破折するリスクが高まります。
個人的な感覚としては、再治療に耐えられるには3回が限度。
何度も繰り返すと、歯根は脆くなり破折するリスクが高まります。
個人的な感覚としては、再治療に耐えられるには3回が限度。